「学びの場における、子供たちへのキャリア支援の必要性について」
1.実現したいこと
子供たちが、専門性の高いキャリコンサルティングを、定期的に受けるため、教育現場への、キャリア支援員派遣制度。自身のキャリアと向き合うために必要な環境を整えた教育機関を創立し、国内外で活躍できる人材を輩出し続け、未来に残す。

2.解決したい課題
近年増加傾向にある、学校への不登校、若年者のひきこもりや、自ら人生を終わらせる行為は、発生してからの解決には、大きなエネルギーとコストを必要とします。そしてその多くは、家族やボランティアに近い人たちによって成り立っており、このまま増加が続けば、関わる人たちは疲弊し、いずれ対応に限界がきてしまう恐れがある。
また、若年層が早期離職によって企業に定着しないことが要因と思われる、担い手不足についても、特に地方では、深刻な課題となっている。

3.実現に向けた政策
課題に挙げた状況に至る前の、予防策となり得るキャリア支援は、社会に出る前の高校生や大学生はもちろん、小学生の頃から必要だと感じています。
学校での、総合学習の時間を活用し、子供たちが、最低でも年に3回は、個別のキャリアコンサルティングを受けられる機会を作るための、キャリア支援員制度を設けることを提案します。
専門的な資格や経験を有している人員が所属する民間企業へ、キャリア支援員の定期的な派遣を委託し、教職員と連携を取ることで、教育現場の業務負担の偏りを分散できる効果も得られると想定しています。
教職員からの指示で、子供たちに、自分の考えを言葉にする機会を作ることで、自分が社会に出て働くことに対する意識を育むことができます。仮に、自身のキャリアについて、誰にも話せない悩みを抱えている子供がいた場合も、言葉にして話す機会を作ることは、本人や周りの環境が、すぐに改善できるもので無くとも、話すことは自分の気持ちを整理するきっかけになり、社会に出て行く気持ちを保つ、支えになり得ます。
この役割は、教職員や家族では、負担が大きい上、二重関係になってしまい、適切な効果を得られません。外部に委託することで、効果を最大化することができます。
ただし、実現には費用が伴います。この費用を各家庭や学校単位で負担するのは現実的ではありません。実現に向けた実施計画と、適切な人員を確保するための、予算の計上が必要になります。

4.経験や専門性
キャリアコンサルタントとしての実務経験と、私自身、娘が就職活動をする年齢になったということもあり、子供たちへのキャリア支援に、とても高い関心を持っています。
例として、職業訓練を受講している、20代の求職者とのキャリアコンサルティングで「自分に合った仕事に就きたい」という言葉がよく出ます。
この言葉は10数年前にはあまり聞いたことがありませんでしたし、30代半ばより上の世代の求職者からは、今でも出ません。ここ数年、20代の求職者に多いです。
この言葉が出てきた場合、私は「自分に合った仕事とはどんな仕事だと考えていますか?」と問いかけますが、はっきり答えられる求職者は少なく、そのたびに残念な気持ちになります。
もちろん個人差はあると思いますので、一概には言えませんが、その世代は、スマートフォンの普及により、世の中の情報を簡単に知る事が出来るようになった、デジタルネイティブ世代です。

これは、私の個人的な想像ですが、「自分に合った仕事に就きたい」というのは色々なことを知っているからこそ出てくるようになった言葉で、30代半ば以上の求職者からはあまり出てこないのは、社会に出て働くということを自分なりに理解するまでに、10年近く掛かるのだろうなと面談を通して感じています。
現代の子供たちは、高校生になる頃にはすでに、SNSなどから色々な情報が入ってきて、働くことの大変さばかりを知ってしまい、無理して働きたくない気持ちになり、「自分に合った仕事」ようは「自分が生きていく中で、負担にならない仕事」に就きたい気持ちになってしまう人が多いのではないかと想像されます。

そこで、現代の情報量に見合ったキャリア支援が、今の子供たちや若者に必要なのではないかと考えています。
キャリアコンサルタントが行うキャリア支援は、何かを教えたり、積極的にアドバイスをするものではなく、面談を通して、自分の気持ちを言葉にして話す機会を作ることで、自ら考え、気づきを得ることが出来るように促すことだと、有資格者は、資格を取得するための学習や、面接試験の段階で認識しています。
未来のある子供たちに、社会に出て働くことに対して希望を持ち、時間をかけて、自分にとってのキャリアとは何なのかを考えるきっかけを作ることは、私たち子育て現役世代の家庭の助けにもなることです。
この役割は、専門性の高いキャリアコンサルタントが担うべきだと提案します。

2023年9月19日創業
株式会社アイデアル 代表取締役 鈴木芳之