基本構想
商品イメージ動画 https://youtu.be/42U5leff6rg
スマートフォンやタブレット中心の環境に最適化してあり、出版物において、ユーザーが求める「デジタルの利便性」と「所有・体験する満足感」を提供する。そのため、書籍・音楽・映像・生成AI・カードゲームなどの、デジタルコンテンツ出版に必要な、普遍的データを保存できる、ICチップ内蔵カードを商品化する。
創作者の言葉と声の価値を高め、権利者の利益を守る仕組みを構築するため、カードからデバイスへのデータコピーを有料にすることで、継続的な収益を得る事を可能にする。
デバイス間の通信に、NFCを使用する。データの暗号化又は、ジャミング等による、不正コピー防止のためのセキュリティーを構築する。
データコピー後は、カードが無くても視聴できるようにする。このクラウドを経由したシステムの特許を取得し、世界に向けて普及を目指す。
将来的には、既存のNFCカードより大きい保存容量を持つICチップと、より高速なデバイス間の通信方式を研究開発し、クラウドを介さない出版媒体として、CD・DVDと同じような用途で使えるカードとリーダーライターを製造し、商品化する。
解決したい課題
サーバー維持コストを削減する。
課題:
クラウドにデータやプログラムを置くサービスには、恒久的にサーバー維持コストが発生するため、スケールメリットを活かせる規模にならないと、サービスの継続が難しい。
解決策:
このカードを使用することにより、スモールビジネスのサーバーコストを削減できるので、新たなサービスの参入障壁を下げる。
スマートフォンやタブレットに、データを読み込む新たな手段を提供する。
課題:
SDカード、USBメモリー、CD・DVDなどの記憶媒体には、専用機器や光学式ドライブ付きPCを介さないと視聴できず、スマートフォン・タブレットにデータを容易に読み込めないという課題がある。
解決策:
近距離無線通信(NFC)を使用することにより、利便性を向上させる。
会員登録の必要性を省略する。
課題:
電子書籍や配信などの、クラウドを経由したサービスの大半は、会員登録が必須。ユーザー側では、メールアドレスやパスワードの管理が必要になり、ITリテラシーが求められる。会員登録作業や個人情報流出への不安が障壁となり、興味があってもサービスの利用を控えるユーザー層が一定数いるという課題がある。
解決策:
カードを媒介にすることで、会員登録の必要性を無くし、若年者から高齢者まで、幅広いユーザーをターゲットとしたサービス提供が可能になる。
創作者やコンテンツ提供者の利益を守る。
課題:
広告主体によるWeb配信が主流となり、ユーザーにとっては利便性が高く、低価格でデジタルコンテンツを視聴できる時代となったが、不正コピーなどが横行し、創作者やコンテンツ提供者の利益を損なってしまうという課題がある。
解決策:
不正コピーを防げるカード媒体を出版物として販売することで、不利益を減らす。
取り組む背景
約30年、教育、IT、映像分野の業務に携わってきた。その中で、機材は年々進化し、4K(3840×2160px)など、高画質での撮影が可能となっているが、ユーザーの希望はDVD(720×480px)での納品が多く、画質を劣化させで納品することに「もったいない。時代に合っていない」という想いがあった。
音楽データも同様で、原音に近いリアルな臨場感、立体感、表現力を得ることが可能なハイレゾ音源をCDの規格に合わせることで、劣化させたデータとなってしまう。
現代はクラウドにプログラムやデータを置くことで、ユーザーの利便性を高める仕組みを作ることが主流であることは重々承知だが、コンテンツ産業においては「利便性」だけでなく、自分の「満足感」を満たす「モノ」や「体験」に価値を求めている人もいる。
ユーザーがコンテンツに対して「モノ」を求めている根拠は、コンテンツソフトの販売データに表れている。
一般社団法人日本レコード協会が公表している2022年時点の年間データでは、
販売枚数が、CDで1億91万5000枚、DVD・BDで4306万7000枚。
販売金額が、CDで1,298億円。DVD・BDで6,747億円。となっている。
1990年頃のピーク時の約4分の1ではあるが、配信全盛の音楽業界だけでも、未だにこれだけの流通量がある。これはファン層が購入している。今の言葉で表すと「推し活」が大きな要因となっている。なぜ当社が取り組むのか
世界的なDX化の流れもあり、あらゆる業種で、利便性を重視した、クラウド経由の仕組みが主流となっている。YouTube等の広告主体によるコンテンツ配信や、収益計算が容易なサブスクリプション契約など、スケールメリットを活かせるプラットフォーム事業は、資本力のある大手企業でなければ、今からの参入は容易でない。
Ideal Media Card構想は、広告やサブスクとは別の選択肢として提供できるのが特徴で、デジタルコンテンツを、体験やモノとして価値を高め、所有して残したいユーザーに提供することを基本概念とており、出版の原点に戻ることになる。
そのため、広告主体の既存事業をすでに抱えている大手企業より、しがらみの少ない、私たちのような新規事業者のほうが、スピード感を持って取り組む事ができると考えた。
取り組む具体的な内容
電子書籍カードの自費出版
一般的には高額な費用の掛かる、自費出版書籍を、低コストで実現する。書籍やメルマガの内容を、NFCカードに保存して販売する。冠婚葬祭の記念品としての需要が見込める。
会員登録が必要ないことが特徴であり、カードをスマートフォンにかざすことで、画面にデータが表示される仕組みにする。カードの販売により収益を得る。
AIコンテンツカード
著名人や声優、キャラクターなどの「肖像権、声と言葉の商品化」を実現する。
カード内のURLを読み込み、プラットフォームにアクセスし、カードに保存されている生成コードから生成されたAIモデルが表示され、音声読み上げも可能にする。カードの販売により収益を得る。既存のトレーディングカードゲーム市場や、推し活市場との親和性が高い。著作権所有者との交渉が必須になる。
著作権管理ビジネス
カードに保存されているデータを、デバイスにコピーできる専用アプリの運用を行う。
コピーは有料とし、その後はカードが無くてもコンテンツを利用できるようにする。
データのコピーを行うたびに、権利者が継続的な収入を得られる仕組みを作り、当社は手数料収益を得る。
将来の展望
この構想を実現することにより、出版物等の新たな提供方法として事業化が可能になり、様々な商品サービスの展開が期待される。
ただし、実現には新たな半導体の技術開発と製造、著作権管理などの業界関係者の協力が必要になるため、何段階かのフェーズに分けて事業を展開していく必要がある。
市場状況
2003年時点で、データ用CDだけでも生産枚数は世界で100億枚を超えていた。
2023年2月にパナソニックがBDの生産から撤退し、減少傾向にある。ソニーも2025年2月、BD、ミニディスク、MD、ミニDVカセットの生産を終了した。
書籍、音楽、映像、写真は、ダウンロード販売、サブスクリプション契約により、記録媒体とプレイヤーを購入しなくても視聴できる環境となり、記録媒体での販売数は下がっている。
出版物、音楽や映像などのコンテンツは、視聴して楽しむことはもちろんだが、人間は「モノ」を購入して所有権を得る(コレクションする)こと。また好きな有名人のCD・DVD・BDを購入して応援することで、満足感を得ることができる「ファン心理」現代の言葉で表すと「推し活」がある。プレゼントしたり、貸したりすることもできるため、コミュニケーションツールにもなる。
登場当初CD・DVDなどの価値は高かった。これは最先端技術を使った高品質な「モノ」に対する顧客の興味関心が高く魅力的だったからだ。それを再生するプレイヤーも最先端技術で作られた魅力的な「モノ」だった。
パッケージに価値を見出す購入者も多い。やはり人は「モノ」に魅力を感じて購買意欲と所有欲が沸く。購入することで、利便性とはまた別の満足感を得られる。
CD・DVDがこれだけ世界で普及している要因として、シンプルさがある。
メールアドレスもパスワードも会員登録も必要ない。ただ、プレイヤーに入れて再生ボタンを押すだけだ。若者から年配層まで幅広く受け入れられた。今までになかった最先端技術を使った「シンプルなモノ」が幅広い年齢層に対して魅力的である。
提供する顧客価値
扱いやすい利便性
会員登録の必要がなく、スマートフォンがあればカードに保存されている電子書籍、音楽、映像、写真を視聴できるので、電子機器が不得意な高齢者でも扱える。将来的には、クラウドを介さない仕組みを実現できれば、Wi-Fiなどの通信環境が必要ない。利用の際に通信費用が発生しない安心感を提供できる。
体験・所有する満足感
高画質、高音質のデータが保存され、表面印刷によりデザインされたカードを、モノとして所有できる。カードにチタンなどの高価な素材を使い、シリアルナンバーを入れるなどして、発行枚数を制限しての限定商品化や、パッケージを開けたときのガチャ感を提供することができる。
紙が主体の出版物にも、電子書籍のようなダウンロード主体の商品にも、新たな販売方法を提供できる。古くからあるプログラミング環境でも標準的にサポートされている「Unicode:あらゆる国の文字コードを格納できる文字コードの規格」が合っている。基本的には、UTF-8かUTF-16で全言語がまかなえ、UTF-16は、日本語が3バイトらしく、日本語が多いなら総バイト数が小さくなる。普遍的なモノとしての価値を提供する。
既存店舗やイベント会場での対面販売にも向いている。主催者の収入源を増やす機会を提供する。
近距離非接触通信(NFC)はApple Vision等の次世代デバイスとの相性が良い。メーカーとの共同開発など将来性のある価値を提供する。